「大丈夫」の言葉に思うこと|子どもが「安心する」声かけ

手を重ねる親子 子育てのヒント

子どもが「怖い」「やだ」と訴えてきた時に、なんと声かけをしますか?
困りの相談を受けた時は、どんな言葉をかけますか?

どの場面にも正解な声かけはなく、「相手が安心できるように」と何と声を掛けるか、考えを巡らせるかと思います。

そんな時、「大丈夫」という言葉を選ぶことも多いのではないでしょうか?
大丈夫」という言葉は、安心や強くしっかりとしている状態を示す言葉。

悩んだり、困っている相手が、安心できる状態になるようにと掛ける言葉ですが、子どもには伝わりにくいこともあります。
むしろ「大丈夫」と伝えたことで、かえって子どもが大きく泣き出してしまったこと、ありませんか?

本記事では、子どもが困っている時に安心してもらう方法の中から、関わり方を1つをご紹介します。

“大丈夫”という言葉は安心?

考えている子ども

「安心してもらえるように」と思いを込めて使う、“大丈夫”という言葉。
とても優しい言葉ですが、子どもによっては「不安」を増やしてしまうこともあります。

生まれて数年の子どもたちは、まだまだ言葉の勉強途中です。
どんな勉強もまずは基本から始まり、応用に発展していくように、言葉も具体的なものから、抽象的なものを獲得していきます。

“大丈夫”という言葉は、どうでしょうか?
「赤い、四角、暑い」など具体的な言葉に比べると、“大丈夫”という言葉は抽象的な言葉になります。
つまり、子どもにとっては難易度の高く、イメージがしずらい言葉になります。

言葉以外にも、子どもたちは勉強中なことがたくさん。
日常は、わからないことや知らないことで溢れています。

例えば「何があるのか分からない」「知らない場所へ行く」場面は、大人でも不安になるかと思います。
大人でも不安になるので、子どもたちは、より大きな不安になります。

分からなくて不安な時に、イメージしずらい“大丈夫”という言葉を聞くと、不安が倍増してしまうことも。

少しでも不安の要素を少なくしていけるように、「分からない」「知らない」など不安が重なる場面では、なるべくその子がイメージしやすい言葉や手段で伝えてあげることが大切です。

子どもが安心できる声かけとは

ハグをする子ども

「〇〇ができない」と困っている時、その人はどう思っているでしょう?
「きっとできる」とポジティブな想像をしていることは少なく、「自分はできない」と思っていることが多いかと思います。

「大丈夫」という言葉は、「できない」という主張に対しては、同調ではなく反対の意味になります。
「大丈夫」と応援の意図で伝えても、「できない」と思っている人に対しては、反論の意味に伝わってしまうことがあります。

もちろん「大丈夫」と伝えた人は、「安心できるように」と相手を思ったり、「きっとできるよ」と相手を励ましたいと思って言葉を選んでいるかと思います。
この言葉の裏に込められた思いが、子どもたちには伝わりにくいことがあります。

困っている子どもたちは、大丈夫ではなく「困っている」のです。

そんな時は、まず“共感”をしてあげることが大切。
「怖いよね」「嫌だよね」など、その場面で感じている子どもの気持ちを、まずはそのまま共感をしてあげましょう。

誰かに共感をされると、自然と気持ちが安心することありませんか?
同意”をしなくても大丈夫です。「そんな気持ちになったんだね」とまずは受け止めてあげましょう。

「安心」の次にどう関わるか?

ノートに書く手

“共感”をして、その子が「安心できる状態」になったら、その後で「どうして大丈夫なのか?」を具体的に伝えてあげましょう。

ここでのポイントが、“具体的”ということです。
大人はどうしても「言葉」を使いがちです。
言葉は、とても便利なコミュニケーション手段なので、そのような行動になるのは当然です。
言葉を使うことは、何も悪いことではありません。

ただ言葉の勉強途中の子どもたちは、その「言葉」が分からないと、不安は倍増です。

知らない国で、道がわからず迷っている時に、知らない言語で話しかけられたら不安になりますよね。
「大丈夫」を伝える時は、言葉という手段以外にも、その子が分かりやすい手段を考えることがとても大切です。

例えば

  • その後に起こる場面と似ている動画を子どもに見せる
  • これから行く場所の写真を子どもに見せる
  • 問題が起きた時の解決方法を実演する

言葉よりは、視覚的に見せたり、実際に体を動かして疑似体験して伝えることが、分かりやすくおすすめです。

ただ、どの方法が分かりやすいか?は子どもによって様々です。
日々の子どもの様子から、その子の得意な方法で伝えていきましょう。
どれが良いが迷った時は、一旦思いつくものを全部やってみるのも良いですね。
一旦試した経験は、次に必ず生かされていきます。


子どもの関わり方に正解不正解はありません。
一人の子には失敗したことが、他の子にはぴったり合うようなこともたくさんあります。

「そこまでしなくても」と思うこともあるかもしれませんが、この少しの工夫で日々の関わりがスムーズになることもあります。

子どもはもちろん、その子に関わる周りの大人も安心できる関わり方を見つけていきましょう。


yukari

子どもとママパパセラピスト
幼児教育、障害児支援に長年携わってきました。子どもだけでなく、ママパパも「自分の気持ち」を大切にした子育て情報を発信中しています。

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