「子どもには自立した大人になって欲しい」
子育てをする方の多くが願うことではないでしょうか。
では、そもそも「自立」とは何でしょう?
辞書で調べると「他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助言を受けずに、存在すること」と書かれています。
人は1日に最大3万5000回の選択をしていると言われています。
「独り立ちする」とは、これらの選択を「自分」で行うことではないでしょうか。
このように「自立」には「自己決定」が大切です。
本記事では、「自己決定」が子育てにおいて大切な理由と、「自己決定」の育み方についてご紹介をします。
「自立」とは「自己決定」すること
「自立」を示す状態は様々ありますが、「自己決定できる」ことは自立において大切です。
「自己決定」と聞くと難しく聞こえますが、自己決定とは「自分で決める」ことで、もっと砕いて考えていくと「自分の好きなものを選ぶ」ということです。
- どんな遊びが好き?
- 何を食べたい?
- どんな色が好き?
- 誰といたい?
- どこに行きたい?
これらを誰かに「〇〇にしたら?」と助言されることなく、自分で「決める」ということです。
「自己決定」を育むために必要なこと
「自己決定」つまり、「自分で決める」には、そもそも自分の「好き」を知っていることが大前提です。
「自立=自己決定」するには、小さな頃から「好き」をたくさん見つけていくことが大切です。
では、どうしたら「好き」を見つけていけるでしょうか?
例えば、幼稚園や保育園でよく歌われる曲の一つに「どんな色が好き?」があります。
「どんな色が好き?」と聞かれ、自分の好きな色を答えるには、「色」という選択肢を知っておくことが必要です。
このように自分の「好き」を知るには、多くの体験を通して、選択肢を増やしていくことが大切です。
そして「好き」は、「これどう?」と誰かに提案されたものではいけません。
「友達と一緒に遊べるように。友達と同じ遊びを好きになってくれたら…」という親御さんの願いから、子どもに遊びを提案することもあるかと思います。
でも、それは別の問題。
誰かと一緒かどうかは関係なく、「自分の好き」を持っていくことが大切です。
「自分の好き」のワクワクが増えていった時、「ねぇ見て!」と誰かに伝えたい気持ちがきっと湧いてくるはずです。
友達関係を作るには、まずは土台が大切。
まずは「自分の好き」から見つけていきましょう。
そして、もう一つ大切なことが「自分の好きが肯定される」ということです。
「自分の好き」をせっかく見つけても、「変なの」「おかしいよ」など否定をされたらどうでしょうか?
「自分で決める」ということがマイナスになってしまいます。
すると、自分で決めるよりも「誰か他の人の決断」方がプラスだと学習してしまいます。
親子でもそれぞれ一人ひとりの人間。
みんなそれぞれの想いを持っています。
賞賛できないことは賞賛できなくても大丈夫です。大切なのは「肯定する」ということ。
その子が見つけた「自分の好き」を「それが好きなんだね」と肯定をしてあげましょう。
自己決定に大切なこと
- たくさんのモノ、体験に触れる
- 経験の中から好きなものを選ぶ
- 自分の好きが肯定される
「好き」を見つけることが大切なもう一つの理由
「自分の好き」を知るということは、自分が「こうしたい」と思っていることを知っているということです。
大人になってくると、「あの人がどう思うかな?」「ここは空気を読んで…」など、自分の「こうしたい」を後回しにしてしまうこと、ありませんか?
すると、徐々に自分がわからなくなって、いつしか周囲に合わせて無理をしていることにも気付かずに、体まで崩していく…私自身もそうでした。
「自分がこうしたい」を知っているということは、「自分を守ってあげる」ことにもつながります。
「自己決定スキル」は「自分を大切にするスキル」です。
たくさんの情報に溢れる現代を生きていく子どもたちにとって、もっとも大切なスキルです。
“好きを知る“、とても単純で「当たり前」と感じることかもしれませんが、今一度「自分の好き」について考えてみませんか?
これは、子どもに限ったことではないです。
大人になっても大切なことです。
皆さんの「自分の好き」は何ですか?
家族や友達、心を開ける人と、お話をしてみてください。
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