介護スクールの授業で、1本のビデオに出てきた言葉、「老いの受容」。
歳を重ねていくと「出来ないこと」も増えてくる。
それを本人だけでなく、周囲の人も一緒に受け入れて暮らしていくという内容。
これまで障害支援の仕事をしてくて「障害受容」という言葉は身近だったが
「老いの受容」という言葉は衝撃的だった。
それと同時に、“自分にできるのか“の不安が生まれた。
30代後半、「シミできてきた」「お腹にお肉ついてきた」など
時間の経過をマイナスに捉えて、抗おうとしている自分がいるから。
30代半ばから私の目標は「パリジェンヌ」。
パリの暮らしも華やかで憧れるが、1番の理由は大人の女性がキラキラと輝いていること。
買い物をする時も長く使えるかな?と考えたり
長年使い込んだ風合いを想像して革製品や木製製品を選びがち。
他にも歴史のある小道具や古民家のカフェにも惹かれている。
共通しているのは、経年変化を楽しむということ。
物を長年使っていくと、当然傷ができたり、色が変わったりする。
それを「マイナス」なものと感じてしまうことは何でだろう?
その傷には物語があったり、新しい色に出会う機会になったり、
視点を変えればプラスなことも沢山ある。
「傷ついちゃった」ではなくて「こんなに沢山一緒に過ごしたね」と思えるようになりたい。
視点を変えることは、難しく、とても大切。
見方によって、同じことでも大きく変化する。
大好きなドラマ「いちばんすきな花」に円錐の話が出てきた。
角度によって丸にも三角にも見える円錐。
でも丸でも三角でもない。
平面的ではなく奥行きに目を向けられるように、気持ちの余白を持てるように心がけたい。
余白は頑張ってできるものではない。
お餅をお皿の上に置くとゆっくり広がっていくように
型の中で固めていくよりも
自分をゆるめて余白を広げるイメージ。
今はまだ「受容」は難しく、不安や怖さがある。
その時に考えるようにしているのは「自分が今まで歩んできた時間がここにある」ということ。
過去の自分がそっと背中を支えてくれる。
そうすると「そうだ、大丈夫」と思える。
今までの時間をお守りに、これからを楽しみに思える。
「老いの受容」
上手くできるか分からないけれど、今の時間を感じていくことで、
きっと「受け入れ」につながっていく気がする。
今の一瞬一瞬を大切にしていこう。
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