「発達障害」という言葉に合わせて、自閉症スペクトラムやADHDなど診断名も大きく知られるようになりました。
しかし「この診断名だから」と言って、皆同じ困りがある訳ではなく、1人ひとり困りは異なり、同時に解決方法も人それぞれ。
そうならば、解決方法の選択肢が多い方が「心地よさ」につながりやすくなるのでは?
療育では「感覚統合」というアプローチがありますが、「嗅覚」のアプローチは「匂いをなくす」という視点が多いですが、香りには沢山の作用があります。
もっと使える選択肢もたくさん。
これまで学んできた情報と、考えていることを記していきます。
自閉症スペクトラムとオキシトシン
自閉症スペクトラムの子どもは、定型発達児に比べて、血中のオキシトシン濃度がわずかに低いことが分かっています。
オキシトシンとは?
オキシトシンとは、脳の下垂体後葉から分泌されるホルモン。
男女問わず受容体が分布し、作用は多岐にわたります。
その中でも「精神」や「行動」に影響を与えると言われているホルモンです。
主な働きの1つとして、他者と信頼関係を築きやすくすると言われています。
他には、母乳の分泌促進や分娩促進があります。
以前はこのような作用から、女性を中心にオキシトシンの研究が進められていきましたが、近年は神経伝達物質として男女問わず関与していることが解明されています。
自閉症とオキシトシンの研究
オキシトシンの研究では、経鼻的にオキシトシンを摂取した自閉症スペクトラム症の男性に以下のような一部の症状に改善がみられたと報告があるそうです。
・顔を見つめる
・笑顔を浮かべる
・簡単な質問の応答が可能になった など
※現在、ASDへオキシトシンの経鼻的な投与は薬機法で承認されておらず、臨床試験の段階です。
現在の自閉症スペクトラム症の治療とは?
自閉症スペクトラムには以下のような特性があります。
・対人関係や社会的なやりとりの難しさ
・こだわり行動
現在は上記の基本特性よりも、これらの特性により併発された「不安や抑うつ」「強迫症」などを対象とした薬物療法が行われているそうです。
合成オキシトシンについて
合成オキシトシンの連続投与により、自閉症スペクトラムの社会性行動に改善を示す可能性も指摘されていますが、一方で合成オキシトシンの長期的な投与により、オキシトシンの効果が低迷することも明らかにされているそうです。
これらのことより「内因性のオキシトシンを分泌されることにメリットがある」と考えられています。
内因性のオキシトシンについて
「オキシトシンの増やし方」と検索をすると、たくさんの手段が出てきます。
そこでオキシトシンについて再確認。
オキシトシンは「脳の下垂体後葉から分泌されるホルモン」です。
ホルモンと植物療法
そもそもホルモンとは?
・体の中の調整役
・食べたものが原料
・分泌の指示を出す司令塔は「脳の視床下部」
ホルモンのバランスを保っていくためには、食事や睡眠、ストレスケアなど生活習慣が大きなポイントとなっていきます。
植物療法(phytotherapy)とは、植物の力を借りて、心と体全体のバランスを整えて、自然治癒力を高めていく伝統療法の総称です。
ホルモンバランスを整える1つの選択肢として、「植物療法」も力になってくれます。
あくまでも日々の生活を過ごしやすくなる手段の1つとして、植物療法をご提案していきたいと思います。
【参考文献】
・山口創(2020)「発達障害とタッチセラピー」『aromatopia特集 発達障害と自然療法』
第29巻 第4号 p.20-23
・山未英典(2019),オキシトシン経鼻剤連日投与による自閉スペクトラム症中核症状の改善を世界で初めて実証~新しい治療法の確立をめざして~、東京大学、
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2019/07/03/release_20150904.pdf
(参照2023-10-5)
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